イヌワシは,漢字で書くと「狗鷲」.色んな説があるけど,「狗鷲」の“狗”は天狗の狗からきていると言われています.岩の上に止まっている姿なんかは,まさに天狗.葉団扇?羽団扇?これをみても,やっぱり名前の由来は天狗伝説からきていそうですね!!
![イヌワシとは・岩の上](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/3756CAC8-344A-47E6-89BC-8D6A3678BA98.jpeg)
岩の上に止まるイヌワシはまさに天狗!?
![イヌワシとは・岩の上の神主さん](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/53739333-FD1F-4B5F-82AE-BCAB28A086FD.jpeg)
立山 天狗に似た神主さん
![イヌワシとは・葉うちわ](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/F96B038C-9B0D-4F3F-ACDA-27F3567A7876.jpeg)
巣材のササをくわえるイヌワシ.まさに葉うちわ
![イヌワシとは・天狗](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/78384000-D2FA-4358-BB3F-C00DDF8649F8.jpeg)
葉うちわを持つ天狗
![イヌワシとは・大きく尾羽を広げるイヌワシ](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/CB81A51B-3743-4625-B453-F5CE40F6A324.jpeg)
大きく尾羽を広げるイヌワシ
![イヌワシとは・広げた尾羽はまさに羽うちわ!](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/DD6F7FD2-1E02-4472-903E-AAC264FC4A48.jpeg)
広げた尾羽はまさに羽うちわ!
![イヌワシとは・羽うちわ](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/09F94D5A-4F6D-4C97-B941-6C8FDD6CD35C.jpeg)
羽うちわ
![イヌワシとは・後頭部と雨覆あまおおいが金色!](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/F63C67F6-34F5-4214-8D06-C2B170B8C13A.jpeg)
後頭部と雨覆が金色!
英名は,Golden Eagle.後頭部と雨覆(肩のあたり)の羽根が金色をしていることから,金鷲=ゴールデンイーグルと呼ばれます.英名があることからも分かるように,世界中(北半球中心)に広く分布しています.
学名は,Aquila Chrysaetos 金色のワシ(正確には,金色のワシのワシ?)スペインの猛禽研究者は,英語でリアルイーグルと呼んでいたので、ワシの中のワシ(ワシの中のイヌワシ)みたいな意味も持つのかな!?学名の意味に詳しい方居たら教えて下さいm(_ _)m
大きさは,くちばしの先から尾羽の先まで80-90cm.大体,大型犬のゴールデンレトリバーのお座りより少し大きいくらいかな?
![イヌワシとは・ラブちゃん(犬の名前)との背比べ](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/3C0D0BE2-5BDD-491F-8B49-FB441553C7C8.jpeg)
ラブちゃん(犬の名前)との背比べ
翼を広げると170-210cmほど.お父さんが目いっぱい両手を広げたより大きいです!羽根も大きいものだと,1枚で50cm近くもあるよ!
![イヌワシとは・イヌワシの原寸大パネルと身長170cmのお父ちゃん](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/13F44051-6296-40EC-B63B-EDD2C5FDF78F-1024x552.jpeg)
イヌワシの原寸大パネルと身長170cmのお父ちゃん
![イヌワシとは・羽根・左側](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/708A5717-3FD5-4E0D-BCCB-ABAF0C6F3C9D.jpeg)
![イヌワシとは・羽根・右側](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/810BE2B4-4058-4E69-89C0-232A1A1DC223.jpeg)
餌について,40年ほど前の日本イヌワシ研究会の調査では,第1位がノウサギ,第2位がヤマドリ,第3位がアオダイショウと第1位のノウサギが半数近くを占めていました.しかし,近年の小澤会長の調査では,アオダイショウを中心とするヘビ類の占める割合が圧倒的に多く,福井県や岐阜県北部などの白山山系で85%,富山県や新潟県南西部などの北アルプス山系では,90%以上を占めていました.ちなみに,以前第1位であったノウサギは,117例中たったの5羽(4%)だけでした.ノウサギの減少がイヌワシ減少のカギになっていそうだね!
![イヌワシとは・ノウサギ](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/05C61F3D-D14C-4FAD-9B55-A7B697851E08.jpeg)
ノウサギ
![イヌワシとは・ヤマドリ](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/2CC8723A-1418-4EED-8352-566ABE6F0065.jpeg)
ヤマドリ
![イヌワシとは・アオダイショウ](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/E18BCA56-4DCF-4840-AD6B-CF1FB7DC8D82.jpeg)
アオダイショウ
寿命は,野外で30年前後,飼育下では50年くらい.自然界では,死ぬまで餌を自分で捕らなければいけないので,餌を与え続けてもらえる飼育下より短いんでしょうね!?
小澤会長の観察地では,28才以上と30才以上が分かっている個体の最高齢かな.飼育下では,スペインで52才のメスも見たことがあるよ.この個体は,47才まで繁殖してたんだって~!
![イヌワシとは・最低でも28年を生きているイヌワシ](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/B7792842-A71D-41F5-A3A2-689139F9D04D.jpeg)
最低でも28年を生きているイヌワシ
虹彩が特徴的なレモンイエローをしていることで継続追跡ができています
![イヌワシとは・最低でも30年を生きているイヌワシ](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/1B5EB3F7-2618-4331-BF1D-256CEAE0CDEB.jpeg)
最低でも30年を生きているイヌワシ
![イヌワシとは・52才の貫禄かんろくある長老ワシ](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/EBEE6BC9-C473-4C4B-BFE6-6B58A8DF1062.jpeg)
52才の貫禄ある長老ワシ
性格は,基本的に人間と同じで1個体1個体違うよ.でも,凛々しい顔つきや,その大きな体からは想像できないけど,基本的にとっても神経質です!!特に繁殖期に巣に近づいたりすると親鳥は卵やヒナを置きざりにして巣から出てしまいます.そうすると,イヌワシはとても寒い時期に卵を産んだりヒナが孵るので,卵やヒナは死んでしまいます!絶対,近寄ってはいけないね!(^_-)-☆遠くから静かに見守ろう!
![イヌワシとは・人間と同じで顔も1個体1個体違うのです](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/1E5BA246-4F1D-494F-91A1-EC42AAE2FD67.jpeg)
人間と同じで顔も1個体1個体違うのです
![イヌワシとは・こっちは面長タイプかな・・・?](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/C285F313-FC8B-4471-9562-B657F1BC9A4B.jpeg)
こっちは面長タイプかな・・・?
![](https://i1.wp.com/inuwasi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2021/03/83E85091-B3AB-441C-8041-0071224C679F.jpeg?ssl=1)
![](https://i0.wp.com/inuwasi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2021/03/333C42D7-76D9-4251-BAC4-9354DFC44433.jpeg?ssl=1)
イヌワシ1つがいの行動圏面積(使う範囲)は,1987年に日本イヌワシ研究会が調査した43ペアの平均だと60.8㎢でした.でも,最近は,ペアの消滅や餌不足からより大きな範囲を使うようになっています.富山県内で2009年に調査した結果では,6ペアの平均で168.2㎢(120.3~245㎢).よく例えで使われる“東京ドーム何個分”でいうと3,579個分.沖縄本島の1/7とか,東京都の1/13の方が分かりよいかも….いずれにしても,とんでもない大きさだということが分かるね!この“とんでもない大きさの行動圏”を2羽(つがい)のイヌワシで他の個体を入れさせないように見張りながら,1年を通して利用し生活しています.
![イヌワシとは・沖縄本島の1/7](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/9BA4F19C-E1ED-4BA5-90C1-E11BA1741D96.jpeg)
沖縄本島の1/7
![イヌワシとは・東京都の1/13](https://inuwashi-hogokyokai.jp/wp-content/uploads/2022/01/E7EC7B0D-B5F8-4A25-974B-2D02264C04DD.jpeg)
東京都の1/13